「妊娠を機に退職する?続ける?」「辞めるのはもったいない?」と迷っていませんか?働くママが増えた今、このような悩みをもつ方が増えています。
多くの企業が、福利厚生として、産休・育休制度を取り入れており、その制度を利用して退職を検討している人もいるでしょう。
妊娠を機に退職することは、育児に専念できるメリットがある一方で、「経済的不安」「再雇用の壁」といった問題もあるので、しっかりお金や・ライフプランを考えてから退職することが大切です。
そこで今回は、「仕事を辞めて後悔しないように損しないお金の話」ポイント4つの理由をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
妊娠を機に退職する人の割合を大公開!
(引用:第一子出産前後の妻の継続就業率・育児休業利用状況 令和5年5月30日 厚生労働省 )
実際に、妊娠をきっかけにして退職する女性は、どれくらいいると思いますか?
厚生労働省の調査によると、30.5%の方が妊娠を機に退職、69.5%の方が出産後も仕事を継続されていることがわかりました。(正社員・パート・派遣含めた全体数より)
また、出産後の働き方では多くの方が、産休後の育休制度も利用しているようですね。
正規職員では74.7%、パートや契約社員といった雇用形態でも産休・育休を取ることが出来るので、会社に一度確認してみましょう!
妊娠を機に退職するメリット3つ
妊娠を機に退職するのは「もったいない」と感じる方もいますが、仕事を辞めない方が「もったいない」という意見もあります。
以下では、退職する場合のメリット3つを詳しく見ていきましょう。
1. 子どもの成長を1番に見られる
妊娠を機に退職するメリットの一つは、子どもとの貴重な時間が楽しめることです。
育休制度や時短勤務が充実している企業が増えたとはいえ、子どもの成長は早いです。
育児に協力してくれる家族・保育士ではなく、ママが子どもの成長を1番に見たいという理由から退職する方も多く見られました。
2. 家族との時間を大切にできる
家族との時間を大切にできることも、妊娠退職の魅力です。子どもが生まれたら、仕事・育児・家事のバランスをとるのは簡単ではありません。
仕事の疲れから、子どもとの対応がうまくいかなかったり、夫婦関係が悪化したりするケースまであります。仕事の負担を取り除いてあげることで、家族との時間もバランスよくとりたいですね。
3. 保活問題に悩まなくていい
保活問題は、多くのワーママたちが復職する際に頭を抱える問題です。
厚生労働省の児童待機数の調査によると、令和4年4月の待機児童数は2,944人。
「新子育て安心プラン」に基づき待機児童解消の取り組みが進んでいるとはいえ、自治体によっては50人以上の待機児童がいるところもあります。
・生まれる前から保活している。
・調整指数の加点のために認可外保育施設に預ける
・働く時間を増やす
など、産後すぐから苦労して復帰するワーママたちもいます。
妊娠を機に退職すると後悔してしまう理由4つ
結論から言うと、金銭的・再就職を考えると妊娠退職するのは「もったいない」かと!
理由は、もらえるお金は少なくなるので、損をする可能性が高いからです。よほどの理由がない限りは、産休・育休制度を利用して仕事復帰することをおすすめします。
以下では実際に、後悔してしまう理由4つを紹介していきます。
1. 産休・育休のお金がもらえない
産休や育休は、働く人が仕事と家庭生活のバランスを取るために設けられた制度です。
一般的に、会社が従業員に対して産休や育休を取らせないことは違法です。しかし、妊娠を理由に退職すると産休や育休は利用できる権利がなくなります。
あわせて、雇用保険の対象も外れるため育児休業給付金なども受け取れなくなり、経済的な負担が大きくなるのでデメリットです。
そのため、安易に辞めてしまうのは「もったいない」と言えるでしょう。
2. 収入がなくなる
本来、産休・育休後に仕事に復帰すれば収入がゼロになることはありませんが妊娠を機に退職すると収入がなくなってしまいます。
旦那さんの収入のみで家計のやりくりが必要なため、退職前より切り詰めた生活を送ることになり、心の負担も大きくなるでしょう。
今後のマネープランもしっかり考えてから、退職するか判断するべきです。
3. 失業手当をもらうには時間がかかる
失業手当は離職後、働く意思と能力がありながらも再就職できない場合に、つぎのお仕事が見つかるまでの間の生活を保障する制度です。
そのため、妊娠中の再就職が難しく、産後もすぐに働ける状態とも限らないため受給対象者から外れてしまいます。
失業手当については、次の章でさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
4. ママの再就職はハードルが高い
子育てが落ち着き、いざ再就職を考えるころには離職期間が長くなり社会人経験のブランクがあると判断され、産前と同じポジションに戻るのは難しいでしょう。
個人のスキルが求められたり条件が合わなかったりとワーママの就職は想像以上にハードルが高くなっています。
なので、育休後に「やっぱり仕事と育児の両立はむずかしい!」と感じたら、その時に退職を考えても遅くありません。
妊娠を機に退職するなら申請しないともったいない手当金
妊娠・出産にかかる費用をサポートするための制度がいくつか用意されています。
手当金は家計の負担を減らすための重要なサポートなので、後から「こんなにもらえたの⁉」と後悔しないために、退職前に必ず確認しておきましょう。
ここでは、「退職してももらえるお金」と「退職したらもらえないお金」を紹介していきます。
▼出産・妊娠によって誰でももらえるお金
・出産育児一時金
子どもを出産したときに加入している健康保険から受給される一時金のこと。支給対象となるのは、妊娠4か月(85日)以上で出産をした健康保険に加入している被保険者および被扶養者です。
また、出産育児一時金の申請方法は3つに分けられ、直接支払い制度・受取代理制度・事後申請となります。
例えば、直接支払制度を利用すると、保険会社から出産する医療機関へ直接、出産育児一時金が支払われるため面倒な手続きは病院側が行ってくれます。
・出産・子育て応援給付金
0〜2歳の子どもがいる家庭を対象に、出産や子育てに伴う経済的負担を減らすために国が行っている支援制度です。
妊娠届出時(5万円)と出生届後(5万円)の合計10万円相当が支給されます。自治体ごとに、現金やギフトなど、内容や配布方法に違いがあるようです。
自分が住んでいる市町村はどのような取り組みをしているのか?子どもが大きくなるにつれてどんな支援が受けられるか?
この機会にぜひ確認してみましょう。
▼退職したらもらえないお金(退職せずに、産休や育休を取得した場合)
・出産手当金
出産のために会社を休んだ際に加入中の健康保険から支給される手当のことです。
妊娠した女性は、出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの期間に産休(産前産後休業)を取得できます。
また、産後8週間(女性が請求した場合は産後6週間)を経過しない女性の就業は禁じられている一方で、産休中は会社側に賃金を支払う義務はありません。
そのため出産手当金があることで、収入が確保でき安心して産前産後の休養を取ることができます。
・育児休業給付金
育児のために会社を休んだ際に加入の雇用保険から支給される手当のことです。性別関係なくママとパパが両方取得することができます。
正社員だけでなく、契約社員やパートも対象になりますが、雇用保険加入者が対象のため自営業やフリーランスの方は受給することが出来ません。
また給付期間は、原則として子どもが1歳になる日の前日までですが、保育施設が見つからない・病気や怪我などの理由がある場合は、子どもが1歳6か月まで延長することができます。
▼退職しても貰えるお金
・失業手当
求職者が安定した生活を送りながら、1日でも早く再就職するための支援として給付される制度です。
就職したいという積極的な意思や能力があるにもかかわらず仕事につくことができない「失業状態」であることが、手当を受けられる前提となります。
しかし、妊娠・出産後はすぐに就職することが困難なため失業手当を受け取ることはできません。
原則、失業手当の受給期間は、離職日の翌日から1年間と定められていますが、退職理由が妊娠・出産であれば最長4年まで延長することが可能です。
出産後、すぐに再就職を考えていない方は受給期間の延長をしておきましょう。
・退職金
会社の規定に基づき退職する際に支給される一時金のことです。一定の期間以上働いた場合に、働いた年数や業績などに応じて支給されます。
退職金は、会社に法的な義務はないので退職金制度を導入していない企業もありますが、令和5年の厚生労働省が公表している調査によれば、退職金制度がある会社は全体の74.9%となっています。
そのため、退職金制度を導入している会社で、一定の期間働いていれば妊娠を機に退職する場合でも受け取ることが可能です。
先輩ママのリアルな体験談
ライフスタイルは人それぞれ違います。育児・仕事を両立しているワーママもいれば、家事・育児に専念する専業主婦のママもいるでしょう。
共働きが増えるにつれて女性が働きやすい社会をつくる風潮があるものの、これから子どもを持とうと考えている方、これから出産をむかえる方、さまざまな不安を感じているのではないでしょうか。
そこで「産後復帰したママ」「妊娠を機に退職したママ」たちのリアルな体験談を見ていきましょう。
産後復帰したママたちの声
妊娠を機に退職したママたちの声
まとめ
妊娠すると利用できる制度がたくさんあります。国の支援制度・会社の福利厚生などがあるので、その制度を利用しないで退職するのはもったいない部分もあります。
一方で、妊娠を機に退職するメリットもあります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、退職するかを判断するのがいいでしょう。
子どもとの今しかない時間?
マネープラン?キャリア?
何がもったいないのか?何を優先したいのか?
決断するのはあなたです。
ぜひ当記事をきっかけに、あなたにとって最良の判断を考えてみてください。